古本屋めぐりは楽しい。知らない街へ行ったときなど「古書」の二文字を見つけたときなど誠に嬉しいもの。ときめきとやすらぎの空間でもあります。古書店にはハッキリその店の個性がでるところも良い、こんな場所にこんな本がある! そんなことを教えてくれるのも又古書店のいいところだ。
良知力の「おすすめの本」をとりあげたときに読書に一般論は通用しないということばがありましたが確かにそう思いますね、読書家の紹介する本について手にとってもサッパリ面白くないという経験は一度や二度じゃきかない。
それでもなるほどこれはイイという本と巡り会うこともあるからつい覗いてしまう。古書店もそんな役割を果たしているところがあります、店主はなにも言わないけれど「(本)棚」が教えてくれるような感じでしょうか。 買い求めた本には一冊一冊にそんな思い出がつまっているもの。
そういえば良知の『魂の現象学』を見つけたのも確か浦和の古書店でした。
ぼくが気づいた店のいくつかを思いつくままにノートにしておこう。
〈順に古書店名、最寄り駅。〉
田園書房 元住吉
東横線も多摩川を渡って川崎に入るとガラッと街の雰囲気が違ってくる、西口に出て左に折れた横丁にポツンとある。岩波新書が安くて豊富、しまった先にここへ来るんだったと後悔した覚えがあるから印象も深い。探し物があるときは出向いてみたい。時間が止まっているような雰囲気。
残念ながら2007年に閉店になったようです。 2008.6追記
古本遊戯 流浪堂 学芸大学
西口を線路沿いにたどり二つ目くらいの横丁に古本屋らしからぬ店構えのシャレた感じの店がある。棚を見ていくとそれぞれのテーマに絞り込んだ良書がしっかり揃っており神保町をハシゴしても探せなかったものがあったりする。神保町といえばキントト文庫の蒐集に驚いたがここも凄いものがあります。「昭和」や「日本映画」以外にも扱うジャンルも広く深い。専門図書館ですね、これは。ここまでやるか、とういう迫力に唸ります。
普賢堂書店 妙蓮寺
寺側の踏み切りを渡って神奈川区に上っていく坂道の脇にある、小ぶりな店だけれどいい本が揃っている。本のことをよく知っている店というのは、あたりまえかもしれないけれどイイものです。どこかしら個性がでているんですね。風格といってもよい。鶴見(西口)にも支店? があります。
追記 鶴見店に統合され店じまいになりました(2006年7月記)。
近代書房 川崎
探していたものと何度もめぐりあうことができた店として重宝している。川崎駅前の広い商店街をまっすぐ、新川寄りにある。扱う量も多いが店の前の100円均一の棚が豊富でしばし釘付けになってしまう。『一・二・三!』(遠藤周作 中公文庫)がなかなか見つからなかったがここで逢えた。「ノーサイド おお、女優」(1966年4月号 文藝春秋)も安くでていましたので即買い。
港文堂書店 県立大学(旧 京急安浦)
横須賀といえばここと沙羅書店、そして堀川書店。ぼくにとっては海に近いせいか何故か懐かしい街。 沙羅書店は京急の横須賀中央から坂道を上り横須賀図書館と反対側の上町銀座商店街の並びにある、堀川書店は同じ駅だがターミナルを右に降りて近く、諏訪神社の前の小さなマーケットのなかの三坪くらいの店。 港文堂書店は県立大学駅を降りていき道路とぶつかったところを左へ行くが歩道橋を渡るともうすぐだ。何だかやたらといろんなジャンルの本が一杯ある。眠り続けている本と出会えるような古色蒼然とした雰囲気が良い。古本屋らしい店(鎌倉の公文堂もそんな雰囲気を漂わせていますね)。 沙羅書店は若干小ぶりだけれど掘り出し物があったりするから寄らないわけにはいかない。堀川書店はとにかく安く、駄菓子やさんの古本版だと思えば分かりやすい。文庫や新書などに案外お目にかからないものが混じっているからここも寄らないわけにはいかない。ウソみたいに安いですよ。すぐ側の道路際の若松商店街に「横須賀ベーカーリ」というパンやさんがある、どれも安くてうまい。やっぱり寄らないわけにはいかない。

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