▽ローカル本の続き(前回は8月28日)です、東京国立近代美術館フィルムセンター)刊行のNFCニューズレターは監督特集を基本に現在80点ほど刊行されています、頒布価格は送料別で各300円。なお古書店で探すしかない(と思い込んでいる方が多いと思いますが御園京平の私家版も販売されています、詳しくはリンク集のフィルムセンターで判ります。在庫の確認は(ホームページの更新が日々実行されているとは限りませんので)電話で問い合わせたほうが無難です。姫路文学館では「はりま・シネマの夢 銀幕を彩る映画人たち」(2005年発行 頒布価格1,200円)が播磨ゆかりの監督。脚本家を特集しています。前田陽一 浦山桐郎 和田夏十 橋本忍らの作品歴をA4判60ページオールカラーで紹介しています。姫路文学館と入力すればHPに入ることができます。 続 <9月25日>
▽某図書館のHPで調べたら「RURIKO」(林真理子)の予約が500件(人)を超えていてビックリ、読むことができるまでどのくらい待つんだろうか。本は買わないで借りて読むものと考える方たちは結構いるんですね、購買には反映されないから売上の数字には結びつかないから版元にとっては痛いところ。ユーザーにとっては小説などの単行本は少し待てば文庫になるしお手頃の値段でしかもかさばらないから、“買うんなら文庫でいいや”という方は当サイトの周りにも多い。しかし、その文庫本がとにかくわけがわからない程種類が多くて、しかも文庫にしてほしいなという本が取りあげられなくて実に残念。読者としてはとまどうばかり。単行本の数字を根拠にして文庫にするかどうか、が唯一といわないまでも大きな決定要因になるんだろうか。最終の形となる文庫にはもう少しヴァラエテイと斬新な編集があってもいいんじゃないか、単行本をミニチュア化するだけじゃなくてね。単行本とは違う購買層が文庫本にはいるはずだし変り種の編集者が出てきて欲しいものです。
さて「RURIKO」ですがさすがにいいところに目をつけたものだと感心します、裕次郎に旭、そしてひばりまでもルリ子に関わってくるから昭和芸能史に興味がある人にとっては読みたくなる1冊。ただし取材をしているとはいえこの本はフィクション、一部人名をボカしているところもありますがほとんどが実名で登場。リアルなところとフィクションが絡みあって「スターの虚像」がどんどん膨らんでいく。同じ時代を呼吸していないから著者にとっては熱かった日活映画(史)やその人物(史)たちは一応は視野からは外れる、浅丘ルリ子を軸にするとその世界はこれまでとは違った顔を見せることになりはしないか、というアイディアは違った形で生かせるんじゃないでしょうか。 <9月25日>

▽注目の新刊書 どうしてこんなに面白いのか、今年の収穫のひとつにあげたい傑作。懐かしくて遠くを見る目が優しくなってきて、あったかい気分にさせてくれる。「ぼくらが子役だったとき」(版元は金曜日、中山千夏 定価1,470円)は(若干の世代のズレはありますが)昭和30年代に子供時代を過ごした方たちにはたまらない魅力がありますね。松島トモ子 浜田光夫 和泉雅子 風間杜夫 弘田三枝子 水谷豊 梅沢富美男 小林幸子、そして長門裕之 四方晴美 小林綾子 矢田稔 和泉淳子 柳家花緑が「子役時代」を語る。「おそらくこれは、日本で、いや、もしかすると世界で初めて、体験者自らが語る子役の状況と意見を集大成した本」(まえがき 中山千夏)とありますが<子どもでなければいけないけれど子どもであっては出来ない>という子役のアンバランスを抱えながらの微妙な子役時代を浮かびあがらせる。少女少年期から青春期にかけて子役の気持がゆれつづけるところがスリリング、「イヤなガキ」にならざるをえない状況がリアルに語られる。お涙頂戴にならないで青空の下で語り合うようなすがすがしい懐かしさは同じ子役出身の中山だからこそ、いい話を引きだしています。例えば日活青春映画で花開いた方たちのエピソードはとりわけおかしい。同窓会にでたときのような、あるいはかっての学び舎を訪れたときのような気分を感じさせる本です。 <9月11日>
2008年9月
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