▽お求め安いという意味でも最近の新刊書から気になるものをいくつかとりあげておきます。「平野レミの速攻ごちそう料理」(講談社α文庫 2006年9月 680円)はこれまで刊行された「料理パレード」や「料理大会」ほか「4冊の本をまとめて、中身がギュッと詰まった文庫」(はじめに)として編集されたもの。「私の履歴書 女優の運命」(日経ビジネス文庫 2006年12月 1,365円)は東山千栄子 水谷八重子 杉村春子 田中絹代 ミヤコ蝶々の5名をまとめて1冊に編集したもの。そして「ぼくの特急二十世紀 大正昭和娯楽文化小史」(文春新書 2008年3月 767円)は97歳(1910年生)の著者が語り継ぐ愉しき時代の娯楽の在りか。 <3月27日>
▽「いっぴきの虫」の市川崑と高峰秀子の会話のなかにテレビと映画の話題があり、テレビ映画を「映画」だと思っているのがくやしい、と高峰が語り<映画を見ること>についてこう話している。「とにかく、首をズーとめぐらせなければならないほど大きいスクリーンで、映画を一度みて欲しいの。それから大勢で同じものを見るということねえ。茶の間でひっくり返って、一人でアクビしながら見るのと、ぜんぜん違うもの・・・。ちゃんと腰かけて、前向いてさ、後ろ向けないんだから、後ろ向けば、よその人の顔があるだけでさ。ぜんぶ一方を見て、大勢でものを見るってことは、何かの役に立つことだと思う。・・・うまくいえないけど。」 大勢のなかの一人として老若男女が寄りそってモノを見ることの、それこそ昭和40年代位までは当たり前だった庶民体験は消えてしまったもののひとつ。1月に放送された今年最初の「徹子の部屋」でゲストの吉永小百合が私は映画にこだわりたい、小学校の時に校庭で皆で高峰秀子さんの「二十四の瞳」を見たんだと子どもの頃の映画体験について話していましたがその強烈な記憶はどこかに深く沁みこんでいるのでしょう。
▽NHK・教育テレビで3月4日から「私のこだわり人物伝 色川武大」が始まりました、第一回は作家の柳美里が「心苦しいほど懐かしい人」だと語っていましたね。毎週火曜日に4回にわたって放送の予定のようです。 <3月9日
2008年3月
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