▽テレビで放送していた「歌姫伝説!ちあきなおみ」・・・シンとして見つめ聴いてしまいましたが凄かったですね「朝日のあたる家(朝日楼)」、進駐軍が日本にいた時代や「酔いどれ天使」のクラブの場面と合いそうな感じで伝説化されるのも納得。「紅とんぼ」を好きだという方も多いようだ。少し前にラジオの「私の名盤コレクション」(NHKFM 寺田恵子)でゲストのなぎら健壱さんがトップにあげていたのが「黄昏のビギン」、「水原弘の歌だけど自分のものにしていて、イイでしょう」「すばらしいですね」のやりとりがありました。倉本聰さんのシナリオにも「俺の愛した、ちあきなおみ」というのが「大都会」(渡哲也!)のなかにありますね。ドラマの最後の方で流されていたのが「喝采」。唄がそのままドラマに重なったシーンで忘れがたい。当サイトのおすすめは「星影の小径」─ 検索で<ちあきなおみ大全集>と入力すると試聴サイトへたどりつけます、サワリだけですが ─ 。 <2月23日>
▽復刊してほしいなァと思っていた鴨居羊子「私は驢馬に乗って下着をうりにゆきたい」がちくま文庫に、色川武大「寄席放浪記」が河出文庫に入ったようです。旧版の文庫はどちらも入手しにくいものだけに嬉しいことです。陽の当たらない(?)良書は文庫でいいから再刊してほしいという声は強い。しかし廉価ということはそれだけ(売れる)部数が見込まれないと出しにくいという事情があるのかもしれない。今、週刊朝日誌上で夢声の対談「問答有用」が取りあげられていますがこれを機にリバイヴァルできないものだろうか。ロッパ昭和日記 新装版(晶文社)も随時復刊されていることだし。 <2月18日>
▽長新太さんの「絵本画家の日記」(1994年)を見て驚いた。低俗な絵本という云いかたが繰り返しでてくる。「かわいくて、キレイで」と続けて「いい絵だったらいいのです。」「かわいくてキレイで低俗なのがいっぱい」で「そのほうが売れると信じている編集者がいる以上、限りなく質は落ちていく。」長さんのクリティカルな筆は子どもに読ませる絵を描くことは「実は、たいへんゴーマンなことではないのかしら?」とご自身にまで疑問符をつきつけている。“やっぱり”という想いと志のある制作者や読者も少なからずいるのではという“期待”とごっちゃになってしまうけれど「低俗」繁昌は、その後衰えたのだろうか。この本はいろんな補助線をひっぱっていけそうで「力」を感じました。強烈な批判意識ですね。絵本のことばかりの問題でもなさそうだし。 <2月15日>
▽昼下がりのポッカリ空いた時間に読むにはちょうどいい分量だナと思って喫茶店に駆け込んで高峰さんの章を読み始めたら、思わず引き込まれ最後のところで鼻のあたりがツンとしてきて困ってしまった。12名のインタビューを再録した本(「NHK ことばの歳時記」 昭和60年)で、ラジオで放送されたものだという。聞き手は福本義典アナウンサー(当時)。インタビュー前の福本さんの電話の話しぶりだけでこの方は「タダモノではない」、そう感じたと高峰さんが語っています。「ものを見る眼」がことばになって表現される(「あとがき」)、だから語り口でその一端がでてしまう。その辺りを一瞬のうちに見抜くのが高峰秀子の眼なのか。一方、インタビューの後のコメントで福本さんはあるエピソードを紹介しながら「こういう人を、どう形容したらいいのだろう」と高峰さんから受けた「衝撃」(と云ってもオーバーではないでしょう)を書き留めている。福本さんは形容の言葉をいくつかあげながら、しかしどの単語も一部しか表現していない、と感嘆を隠さない。福本義典アナの(相手から話を引きだす)問いかけの素晴らしさ、それは高峰インタビューだけでなく例えば早坂暁さんの章にも読みとれる。よくあるアンソロジーだからといって侮れませんね、こんな本に出会うと。
▽そもそも高峰秀子の語り口の魅力を教えていただいたのは「高峰秀子の捨てられない荷物」(斎藤明美 文藝春秋 文春文庫)からでした(以後、対談や座談での高峰さんの話に注目しはじめたようなものです)が婦人画報の今年の1月号から「高峰秀子の流儀」(連載)が始まっています。立ち読みで済ませて必要なところは図書館でコピーしようと思って手にしたらトップのページは別冊太陽の「女優高峰秀子」の表紙そのままで「高峰秀子という知性」の文字がかぶさっている。女優、随筆家、妻とページが続いて本編へ、タイトルは高峰さんの自筆・・・。これでは買わないわけにはいきません。連載は何回続くのか判りませんが完結したらぜひ単行本にしてほしい。高峰秀子をどう「形容したらよいのか」─ 福本アナがどのことばでも言い尽くしていないと云ったようにこれは容易なことではないようだ。斎藤さんが追いかけながらその歩をさらに進めているのは(「私」や[私たち」が)見失ってきたもの、おいてきぼりにしてきたものを取り戻すための格闘ではないか、そんな気がしますがどうなんだろう。もちろんいい文章がそうであるように読む方にとってそれぞれの引きだし方ができるから発酵するまでジッと暖めておこう、そんな愉しみのある連載だと思います。おまけにこの号には黒澤和子さんのページまであります。なお婦人画報1,2月号(現在は3月号が発売中)はバックナンバーがあるようですよ。  <2月11日>
2007年2月
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