「婦人画報」12月号“高峰秀子の流儀”(斎藤明美)にはいつもながらシュンとしてしまう。そこに射しこむ光ありという印象。大手出版社の正規社員じゃなくて契約(社員)なんだと打ち明ける場面、綴られている体験は頭ではたぶん誰もが理解しても自然にそうできるかはまったく別、紙一重のところなんでしょうけれど。「素人に還る」というところに行きついた、と書いた高峰(「私のインタヴュー」はしがき)はその時30歳を少し過ぎた頃だったはず、その軸は以後どうしてブレないのか、時代は全然違う方向に突っ走っていったはずなのに。戻るんならここだヨ、ということだろうか。 <11月27日>
▽『銀座並木座ウィークリー 復刻版』 この本を新刊書店で見つけたときはホントに驚いた、まさか! 以前、当サイトでも注目の新刊書に「銀座並木座」(鳥影社 嵩元友子)をあげましたが初期の上映表(プログラム)には多くの映画人の文章や絵が寄せられているとある。その後現物を見たくていろいろ当たってみたもののさすがに昭和28年頃のものにはお目にかかれずあきらめかけていた。それが『銀座並木座ウィークリー 復刻版』として1号から100号までのプログラムが掲載されているからビックリ。奇跡は起こるんですね、こういう本に出会えるなんて世の中捨てたものじゃないな、と思います。600ページを超す厚さですが「まさに『宝の山』」(「NAMIKI−ZA Weekly 礼讃」 嵩元友子の書き出しのことば)、文化(あるいは歴史)というのはこういうものを指すんだな、というのが手にしたときの実感。あの方がこんな絵を書いている、文章を寄せている、このプログラムのために・・・ちなみに当サイトは野口久光が3人の女優をスケッチしているのを見て感激、原節子 高峰秀子 有田紀子(!)です。余談ですが今、100号までのプログラムが古書市場にでてきたらビックリ価格の値になるんじゃないだろうか、そう考えるとなんという良心的な安さよ、索引(人名・映画名索引付)が作られたことで何倍にも活用できますしね。嵩元はプログラムが「・・・五十年以上の時を経た今、日本映画の財産になった」と記していますが、映画というジャンルを超えて日本文化の財産と言い換えてもいいのではないか。ともあれ編集・製作に携わったすべての方々に拍手。 <11月13日>
2007年11月
最新情報に戻る